ラタトゥイユは、地中海沿岸の街ニースで生まれた料理です。野菜自体の持つ水分で野菜を煮込み、力強い野菜の持ち味を更に凝縮して楽しめる料理ではないでしょうか。今回はそんなラタトゥイユのレシピを紹介します。記事後半には、ラタトゥイユ作りのコツやポイント、美味しい食べ方のヒントなども紹介していますので、ぜひご覧ください。
家庭で作るラタトゥイユのレシピ
ここではお家で簡単に作ることが出来るラタトゥイユのレシピ紹介です。鍋一つで出来るレシピになっていますので、気軽に作ってみてください。
【レシピ】基本のラタトゥイユ
ラタトゥイユ (4人前)
材料
・トマト | 2個 |
・茄子 | 2本 |
・オリーブオイル | 適量 |
・にんにく | 2片 |
・ズッキーニ | 2本 |
・パプリカ(赤、黄) | 各1個 |
・ 玉ねぎ | 1個 |
・ローリエ | 1枚 |
・タイム | 1枝 |
・バジル | 2枝 |
・塩 | 適量 |
・胡椒 | 適量 |
・エクストラヴァージンオリーブオイル(仕上げ) | 適量 |
作り方
▷① ズッキーニは3cmの輪切り、茄子は半分皮をむき同じく3cmの輪切りにします。
▷② パプリカは種を除き他の野菜と大きさを揃えた乱切り、玉ねぎはくし型に切り、トマトは2cm角にカットして下さい。
▷③ 鍋にオリーブオイルと、皮付きのまま軽く潰したにんにくを入れ、 香りが出るまで優しく火にかけます。
▷④ 玉ねぎ、ズッキーニ、ナス、の順で炒めて、これらの野菜に火が入ったところでトマトを加えます。
▷⑤ 野菜の水分がひと煮立ちしたらパプリカ、タイム、ローリエ、バジルを加えて鍋に蓋をし弱火で15分〜20分蒸煮にしてください。
▷⑥ 野菜の状態を確認して、火をとめてから塩と胡椒で味を整えます。
▷⑦ 粗熱がとれたら、容器を移して冷やし、味をなじませます。お皿に盛り付ける前に温め直し、エクストラヴァージンオリーブオイルを仕上げにまわしかけ完成です。
※ポイント
ラタトゥイユはそれぞれのお野菜の旨味をまた別の野菜が吸収することで1つの料理となります。ですから野菜に十分の旨味を吸わせるためにいちど冷まして冷める過程で味を吸収させながら冷たいままもしくは再加熱して食べるとさらに美味しくなります。
ラタトゥイユを美味しく作るコツ
ラタトゥイユは、野菜を炒めて煮込み味をなじませるシンプルな料理です。それだけに奥の深い料理でもあります。ラタトゥイユを美味しく作るにはいくつかのポイントとなるコツがありますので、それを踏まえて自分の作りたいラタトゥイユに近づけていってください。
野菜を加えていくタイミングのコツ
ラタトゥイユを作る場合、本来なら野菜別、順番にフライパンで火を入れる入れたものを鍋に合わせるのですが、ワンポットで作る場合は、火の通りにくいものから順番に入れていきます。野菜を鍋に加える順番と、時間差が仕上げを左右するポイントとなってきます。野菜の特性やコンディションまで充分考慮して作ることができれば、いろいろな野菜が鍋の中で同じタイミングで美味しくなります。
最後は野菜に任せる とは
ラタトゥイユに対し、見た目の鮮やかな料理のイメージを持っていることも有ると思いますが、見た目を気にすることなく、しっかり煮込んでください。鍋の中で色々な野菜がそれぞれの旨味を引き出し、吸収することで一つの料理へとなっていきます。作る人間は、その間手を出せない「鍋の中の世界に人が手を出さない方が良い」そんな料理です。
仕上げのコツ、ポイント
ラタトゥイユの仕上げには、お野菜にしっかりオリーブオイルを効かせることもポイントです。きれいに作りたい場合は別々に調理をすることもできますが、ラタトゥイユ本来の特徴でも有る、野菜の旨味の融合が起こりにくいです。
ラタトゥイユを美味しく楽しむ活用方法
作ったラタトゥイユをどのように楽しむか、その他の料理との組み合わせをどのようにするのか、様々な楽しみ方があります。定番の組み合わせから試してみて、後は自由に好みに合わせてみてください。
ラタトゥイユを付け合せとして楽しむ
ラタトゥイユを付け合わせにするなら、ポーチドエッグやスクランブルエッグなど卵料理の付け合わせや、ハム、ローストポーク、子羊のローストなど肉料理の付け合わせとしてお皿に添える使い方や、白身魚の切り身の上にのせて一緒にローストするなど、ソースのように魚と一緒に食べる魚料理の付け合わせとして楽しむことができます。また、茹でたパスタと合わせればパスタソースになります。
ラタトゥイユ単体での楽しみ方
温めたラタトゥイユを食べるのもよいですが、冷たく冷やしたラタトゥイユにオリーブオイルをかけて、バケットと一緒に食べるのも美味しい食べ方です。耐熱の容器に入れてチーズやパン粉などをのせて焼くとグラタンとして楽しめます。
ラタトゥイユに関する豆知識
ラタトゥイユはよく知られた料理なので、ご存知の情報も多いかと思いますが、発祥や名前の語源などちょっと知っておくとラタトゥイユの楽しみ方がちょっと広がるかもしれません。
ラタトゥイユのはどこの料理?
ラタトゥイユはニースで生まれた南フランス地中海沿岸ニースの料理ですが、今では広くフランス中で楽しまれています。ニースのものはそれぞれ野菜を別のフライパンで炒めてから鍋に合わせます。ただ、時々見かける焼いたり揚げたりした野菜にトマトソースをかけたような料理でないことは確かです。
ラタトゥイユの名前の由来
フランス語ではRatatouille、カタカナでは「ラタトゥイユ」「ラタトゥーユ」「ラタトゥユ」などと書かれることもありますが、語源はフランス語で「ごった煮」というよう意味になります。この言葉自体はあまり上品な言葉遣いではないのですが、料理自体はとても美味しい南フランスを代表するような料理です。
ラタトゥイユと似た料理
ラタトゥイユと同じような料理で、大西洋沿岸のバスク地方に「ピペラード」という料理があります。こちらはピメンデスペレットという唐辛子の一種のスパイスをしっかり効かせるのが特徴です。イタリアに行けばカポナータと呼ばれるラタトゥイユと同じような料理がありますが、どれも野菜の旨味を鍋で融合させる料理です。
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