フェンネルの日本名は茴香(ういきょう)と呼ばれ、フランス語ではフヌイユといいます。この用途の幅の広いフェンネルをご家庭で活かすには、どの様にすればよいのか、歴史やエピソード、扱い方などの豆知識と具体的なフェンネルを使ったレシピ「ソテーしたお野菜のサラダ」と「フェンネルの香りのハーブオイル」の2点紹介します。
簡単、美味しいフェンネルを使った2つのレシピの紹介
【レシピ】「ソテーしたお野菜のサラダ」
野菜の味とオリーブオイルで楽しむ、とてもシンプルで美味しいサラダです。お野菜をサラダとしてソテーするというのは、感覚的に理解しづらいかもしれませんが、サラダを熱したフライパンの上で味付けして仕上げると考えて一度やってみてください。
「ソテーしたお野菜のサラダ」 (4人前)
材料
・フェンネル | 1/2株 |
・セロリ | 1本 |
・ラディッシュ | 4個 |
・人参 | 1/2本 |
・ズッキーニ | 1本 |
・エクストラヴァージンオリーブオイル | 30ml |
・塩 | 適量 |
作り方
▷① フェンネルは株ごとスライサーで縦方向にスライスし冷水に放ちます。
▷② セロリはスジを取り、人参は皮をむきます、ラディッシュ、ズッキーニも合わせて、フェンネルと同じく縦向けにスライスし、冷水にさらします。
▷③ 野菜のスライスがしゃきっとしたら、すぐに野菜を水から上げて水気を切ってください。
▷④ フライパンにエクストラヴァージンオリーブオイルを温め、水気を切った野菜をさっと炒め、塩で味を整え、器に盛って完成です。
【レシピ】「フェンネルの香りのハーブオイル」
フェンネルの香りのオイルです、サラダの味付けやその他スープにさっとスプーン1杯かけたり、魚のソテーにソースとしてプラスしたり、お好みで鷹の爪などの量を増やしてスパイシーに仕上げるとピザにかけるスパイスにもなります。
「フェンネルの香りのハーブオイル」
材料
・フェンネルの葉 | 枝1〜2本分 |
・にんにく | 1片 |
・黒胡椒(粒) | 10粒 |
・鷹の爪 | 1/2本 |
・タイム | 2本 |
・オリーブオイル | 250ml |
作り方
▷① フェンネルの葉はさっと水洗いして水分を切っておきます。
▷② にんにくは芽の部分を取り除き、鷹の爪は中の種を取り除きます。
▷③ 材料をきれいなガラス製のボトルまたは、密封容器に入れて1日以上置いておけば使用可能になります。
※もし容器に使いまわしの瓶などを使う場合はしっかり洗い、煮沸殺菌するなどしてから使用してください。
フェンネルの特徴、豆知識
葉・株・種とそれぞれ活用されるフェンネル
フェンネルはセリ科の植物で、数種類の品種を使い分けられます。フェンネルの株は野菜として食され、葉はハーブ、種はスパイスといろいろな顔を見せる野菜です。特有の香りは様々な食材に香りを付け、スパイスとしてはカレーにも使われるような力を持っています。フェンネルの含有成分のアネトールという芳香成分は食欲増進、消化促進に効果があるとされています。
フェンネルの鮮度を確認するポイント
フェンネルを選ぶときは、葉の部分がきれいな緑で柔らかく、株の部分は白くきれいなものが、鮮度もよく香りも良いと考えられます。逆に葉が固くなっているものは避けるようにしたほうが良いでしょう。
フェンネルは株と葉を分けておく
フェンネルを姿のまま入手した場合は、葉と株を切り分けたほうが良いでしょう。株の部分は生でもサラダにできますが、茹でてサラダや、煮込んでスープにしたり、魚料理に使ったり香味野菜として使ったりと多用途です。スジが強い場合はスジを取りますが、基本的に皮などを剥く必要もないので株の部分は全部使えます。
※外の茎が固い場合はサラダなどには中の部分を使ってください。
フェンネルを無駄なく使い切る
フェンネルの株の部分は、ビニール袋などに入れて冷蔵保存してください。葉の部分はその後の用途にもよりますが、株の部分より弱いので、早めに使うようにしてください。冷蔵庫に保存する場合は湿らせた新聞紙などで包んで、ビニール袋に入れて冷蔵します。用途によっては冷凍などもできますが、使い切れない時はレシピを紹介しているオイルに漬けて、香りを活かすという方法もあります。
フェンネルの生産国、日本では?
世界のフェンネル生産地は、フランス、イタリア、スペイン、インド、アルゼンチン、モロッコ、中国、オーストラリアなど広く世界中で栽培されており、日本では日本国内の消費量が全てまかなえるほどの生産量は作られていませんが、各地で生産は行われ、流通しています。国産のフェンネルの旬は、品種により若干の違いはあるものの、収穫時期は春から秋にかけてです。ちなみに日本国内産の美味しいピークは7〜8月です。
フェンネルは薬草?スパイス?いろいろな歴史について
フェンネルは地中海沿岸を原産地とします。国ではフランス、イタリアあたりが原産地でそこからエジプト、インド、中国へと伝わっています。伝わった先のエジプト、中国では薬草として、インドではカレーに入れるスパイスとして活用されていきました。
中世ヨーロッパではお祓いに使われていたとの記録もありますが、古代ギリシャ人やローマ人はフェンネルの香りをとても好んでいたようで、ほとんどの食べ物や飲み物に入れていたとも言われています。
日本へは中国を経由して奈良時代に入ってきており、明治以降も薬草として使われることもあったようですが、日本での栽培量は多くはなく、頻繁に使われるような存在にはなっていないです。