「ジャンボンペルシェ」のジャンボンはフランス語でハムもしくは豚のもも肉の事を指し、ペルシェはパセリを意味します。言葉のままハムとパセリをゼリーで固めた料理というのが一般的に日本でよく見かけるスタイルです。でも、実際にフランス・ブルゴーニュのレストランで出していたものは違っていました。主役(影の主役)はマスタードなのです。この記事では両方のレシピをどちらも家庭で作れる形で紹介します。
「ジャンボンペルシェ」本場のレシピの紹介
【レシピ1】本場ブルゴーニュの「ジャンボンペルシェ」
こちらは実際にフランス・ブルゴーニュ地方の星付きレストランで私が作っていたレシピです。使っていた素材はハムではなく、骨付きの豚の肩肉やもも肉でした。ここでは骨付き肉1本では多すぎるので、手に入りやすく、美味しくできる豚の肩ロース肉を使ったレシピを公開します。こちらは作ってからねかせることが必要で、その後3cm程度のサイコロ状に切り分けてお皿に盛り付けてください。ゼラチンを加えるのではなく、豚足の持つゼラチン質で固まる料理です。しっかり押し固めるないときれいに切り分けることが難しいので注意してください。
「ジャンボンペルシェ」
材料
・豚肩ロース | 500g |
・豚足 | 1本 |
・おろしにんにく | 10g |
・ディジョンマスタード | 100g |
・シェリービネガー | 35ml |
・パセリの葉のみじん切り | 50g |
・塩 | 適量 |
・胡椒 | 適量 |
・水 | 500ml |
・白ワイン | 300ml |
・香味野菜くず(玉ねぎ、人参、セロリ) | あったら150gくらい |
作り方
▷① 鍋に白ワイン、水、豚肩ロース、豚足を入れ火にかける。沸騰したら弱火で3時間煮て肉を柔らかくします。
(途中煮汁が減って肉が煮汁から出たら水を加えてください)
▷② 煮上がる前に①の煮汁を100ml程度別の鍋に取りおろしにんにくを入れて弱い火にかけてにんにくの香りを煮汁に移してください。
▷③ 肉が煮上がったら肩ロースはほぐし、豚足は骨から外してみじん切りにします。
▷④ 大きめのボールに③の肉と②のにんにくの煮汁、ディジョンマスタード、シェリービネガー、パセリのみじん切りを加えてよく混ぜる、塩と胡椒で味をつけます。
※ここではマスタードとビネガー、にんにくが強いと感じるくらいがちょうどよいです。
▷⑤ 保存容器に3cm程度の高さになるように詰めてしっかり重しをして冷蔵庫で冷やし固めます。※本場では専用のプレスできる容器を使って固めますが、ご家庭では可能な限りしっかりプレスすることを意識してください。
▷⑥ この状態で冷蔵庫で1週間程度ねかせて味をなじませたら完成です。型から取り出し切り分けてください。
わかりやすい5step
①煮る
↓
②ほぐす
↓
③混ぜる
↓
④固めてねかす
↓
⑤切り分ける
本場の「ジャンボンペルシェ」作り コツ、ポイント
・茹でるときの火加減は優しく沸騰するくらいに調節する
・パセリは混ぜる工程の直前にみじん切りにして香りを大切にする
・肉をほぐすときは熱いうちにほぐす・豚足は気になるようなら一度コンロまたはバーナーで軽く炙って表面をきれいにする
(基本的にきれいな状態で売られている)
・容器に入れる時は空洞ができないように空気を抜きながら詰めていく
・すぐに食べずに1週間程度休ませる
・固めるときのプレスは可能な限りしっかり重しをかける
きれいなゼリーの「ジャンボンペルシェ」レシピの紹介
こちらはハムを使い、また色合いもハムの淡いピンクとパセリの緑にクリアなゼリーで見た目に上品な印象の料理になります。プリンカップやラムカンで作って型から外してお皿に盛り付けましょう。レシピには有りませんが、サラダやその他の色鮮やかな野菜料理などを添えるとより楽しくなります。
【レシピ2】ゼリーできれいに固める「ジャンボンペルシェ」
「ジャンボンペルシェ」 (5人前)
材料
・ロースハム | 250g |
・パセリのみじん切り | 30g |
・ブイヨン | 200ml |
・板ゼラチン | 7g |
・白ワイン | 50ml |
・塩 | ひとつまみ |
・胡椒 | 少量 |
作り方
▷① ハムは2〜3cmのサイコロ状に切り分けます。
▷② 板ゼラチンは氷水(分量外)で戻しておいてください。
▷③ 鍋にブイヨンと白ワインを沸騰させて①のハムを加えて5分程度煮たらハムを取り出しプリンカップ等の用意した容器に入れておきます。
▷④ 煮汁を塩と胡椒で味を整えゼラチンを加えしっかり溶かします。
▷⑤ ④の煮汁を漉して粗熱を取りパセリを加えた後 ③の容器に流します。
▷⑥ プリンカップがいっぱいになったら冷蔵庫で冷やし固めてください。
▷⑦ 固まったら型から抜いてお皿に盛り付け完成です。
ゼリーできれいに固める「ジャンボンペルシェ」コツ、ポイント
・煮汁が濁らないように火加減に注意する
・煮汁にゼラチンを加える前に鍋は火からおろす
・煮汁が熱い状態でパセリを加えるとパセリの色が飛びやすいので粗熱をとってからパセリを加える
・型から抜く時は型の外から少し温める
「ジャンボンペルシェ」まとめ
「ジャンボンペルシェ」はハムやお肉の種類はアレンジして楽しんでもらえると思いますが、本場で作り食べられている物を、まずはお家で楽しんでみてはいかがでしょうか。マスタード料理と言ってもおかしくない料理です。一般に有るゼリー料理のイメージを一旦捨ててみてください。