マヨネーズの起源については諸説ありますが、1756年6月28日スペイン領メノルカ島のマオン(Mahon)港を占領した際リシュリュー公によって作られたとされます。このマオン港の名前をとってマオネーズと名付けられ、それがマヨネーズの原型になりました。ここではお家で手軽に作れる基本的なマヨネーズの作り方やコツを紹介します。また、マヨネーズにとって重要な要素の一つであるマスタードについても紹介していますので、後半もご覧ください。
【自家製】手作りマヨネーズのレシピ紹介
マヨネーズは様々な副材料を加えることでいろいろな楽しみ方が出来ます。副材料には野菜やそのピュレ、また茹で卵や玉ねぎでタルタルソースなどにもなります。まずは基本のマヨネーズを紹介しますので、色々楽しんでみてください。
【レシピ】「手作りマヨネーズ」
お家で作るマヨネーズです。簡単に作れてリッチな食事になります。ただ、市販のものと違い、日持ちはしませんので作り過ぎには注意してください。
「手作りマヨネーズ」
材料
・卵黄 | 1個 |
・ディジョンマスタード | 20g |
・白ワインビネガー | 15ml |
・オリーブオイル | 300ml |
・塩 | ひとつまみ |
・胡椒 | 適量 |
作り方
▷① ボウルに卵黄、ディジョンマスタード、白ワインビネガー、塩、胡椒を入れ混ぜ合わせます。
▷② ①のボウルにオリーブオイルを少しづつ加えながら泡立て器でよく混ぜてください。
▷③ オリーブオイルが全部入りきってしっかり乳化したら完成です。
▷④ 夏場は使用するまでは密封容器に入れて冷蔵庫に保管してください。(長時間冷蔵保存すると分離しやすくなります)
マヨネーズを混ぜるときのちょっとしたコツ
分離させないように作るコツ
マヨネーズを作る際分離させないためには、材料の温度を同じにしておくことが大切です。また、混ぜている最中に分離しそうになったら水またはビネガーなどの水分を少量加えてから、油を加えると安定します。(保存していたマヨネーズが分離していた際も同様に水分を足して再度乳化させてください)
作業を安定した状態で行うコツ
マヨネーズをボウルで混ぜる時にオリーブオイルを少しずつ入れないとならないので、ボウルを手で抑えることができません。混ぜている時にボウルが動かないように、水で湿らせよく絞ったふきんなどをボウルの下に敷いて、安定させるようにしてください。
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マスタードの種類、流通、エピソード
日本では「からし」とも呼ばれるマスタードですが、大きく和辛子と西洋辛子に分けられます。両方同じ様にからし菜の種子から作られるのですが、もともとの品種が違い、また製法も別のものになります。味の違いは、西洋辛子は和辛子ほど辛味がない点でしょうか。ここではこの西洋辛子について歴史やエピソード、種類やその特徴を紹介します。
マスタードの成分・特徴
マスタードの原料のからし菜は、アブラナ科の植物です。このからし菜の種子を乾燥させた後粉末にして、ビネガーや水、ヴェルジュなどを加えます。これら水分と合わさることで、辛味成分のアリル・イソチオシネアートと呼ばれる精油成分が作られます。これが食欲を増進したり肉、魚の臭み成分をけしてくれる成分となります。
フランス産マスタードの種類
名称 | 特徴 |
---|---|
ディジョンマスタード | フランス全土で作られるなめらかで薄い黄色をしたマスタードで、風味は辛口 |
モーマスタード | 有名な粒マスタードの一つで、ピリッとスパイシーな風味 |
ピカルディマスタード | シードルビネガーを使って作られるためりんごの香りが有りフルーティで辛味は弱め、なめらかな黄色いマスタード |
古代マスタード | はちみつのビネガーを使って作られるため辛味は少なくはちみつの香りを持つ |
アルザスマスタード | 他の物とは違い白ガラシの種子を使って作られるため辛味は弱い |
マスタードの産地、流通
西洋辛子は日本国内でほとんど栽培されておらず、輸入でまかなっています。種子、粉末、練り、等形状は様々ですが、通年流通しているのでいつでも入手可能な状態です。からし菜は成長が早く、春に種を蒔き夏に種子の収穫ができるほどだといいます。
マスタードにまつわるエピソード・歴史
マスタードの原産地はヨーロッパ南部、地中海沿岸と考えられています。マスタードの歴史は古く、古代ギリシャの時代から使われていた事が記録に残っています。古代ヨーロッパでは、マスタードは香辛料としてだけではなく、薬効を認め様々な使い方をされていたようです。香辛料としても中世に入りヨーロッパ各国で食卓を豊かにしてきました。もともと、中世ヨーロッパでは、香辛料はアジアやアフリカといったところで採れるものが多く、とても高価な貴重品でした。そんな中、庶民には手の届かなかった胡椒の代用として、マスタードを使っていたとの話もあります。
フランス料理に欠かせないディジョンマスタード
料理にその名前がつくほど美食家として有名な、作曲家のロッシーニもサラダのドレッシングにはディジョンマスタードを使う、というこだわりが有ったという話も残っています。ディジョンマスタードは18世紀に入り、ジャン・ネジョンが調合の方法、製法を確立し生まれました。ディジョンとはフランス・ブルゴーニュの街の名前です。ディジョンマスタードはこの街で生まれこの名前になりましたが、今は同じ製法で作られたマスタードの種類の名前になっていますので、ディジョンマスタードを名乗っていても別の都市で作られているものもあります。