料理はまず目で楽しむものとよく言いますが、料理の見た目にこだわりたいことはよくあると思います。特に色を鮮やかにきれいに作ったものが思うようにならない場合はなんとかしたいものですよね。ここでは「ビーツを使った時に色が他の食材に移ってしまう」そんなときのちょっとしたコツや考え方を紹介します。
ビーツの色移りの防止、色止め
まず、色移りについての前に、ビーツの使い方に二通りあります。
・生で使う
・加熱して使う
ビーツについては、以下のビーツの記事にも記載しています。よかったらこのリンクを御覧ください。ここではそれぞれについて問題点とコツを紹介します。
ビーツを生のままサラダなどに使う場合のポイント
ビーツを生で料理に使う場合の多くはサラダになるのではないかと思います。サラダの場合は作り置きで長時間おくことはないでしょう。まず、生で料理に用いる場合は皮を厚めにむきます。その後カットするのですが、おそらくスライスまたは千切りという選択肢になります。水にさらしてから使うと独特の土臭いクセや他の食材に移ってしまう色等を軽減できます。注意しないといけないのは、時間です。あまり長時間水にさらすと色が抜けすぎてしまいますので、様子を見ながら判断してください。ただ、個体によって差があるのでここで一概に目安時間等をお伝えするのは難しいです。色移りは避けたいが、発色は良くしたいという場合はこの水にレモン果汁や酢などを少量入れておくと良いです。
加熱したビーツを調理する場合のポイント
ビーツは生でも良いですが、基本的にはサラダなどでも加熱した状態のものを使います。この場合はまず皮をきれいに洗い、皮をむかずに茹でます。大きさにもよりますが、30分〜1時間程度茹でて、串がすっと中まで入るくらい柔らかくなったら冷まして使います。茹でた後に皮をむいたものを切り分ける際にまな板に色がつくのを防ぎたい場合は、まな板の上にクッキングペーパーなどを敷きその上でカットすると良いでしょう。生のものと違いカットする時にあまり力が必要ないので紙の上でもきれいに切れます。ただ、このまま他の食材と和えたりすると色はどうしても他の食材に移ってしまいますので、他の食材に色を移したくない場合は別にして調理してください。マリネする場合なども別にしないとどうしても色が移ってしまいます。ビーツそのものの色自体が薄くなっても良いと言う場合は皮をむいてから茹でたり、切り分けた後茹でると比較的色が湯に流れ出ますので薄くなりますが、そもそもビーツである必要性を考えたほうが良いかもしれません。
ビーツの色の正体、成分
ビーツの赤い色の成分は一体何なのでしょう、他にある赤や紫色の野菜の多くは、水溶性のアントシアニンが色素として含まれていることが多く、加熱による変色などもありますがビーツはこのアントシアニンは含まれていません、ここではその正体と特徴を解説します。
ビーツの赤色の正体は「ベタシアニン」です
ビーツに含まれている色素成分は「ベタシアニン」といいます。「ベタレイン」という色素の赤色から紫色の色素が「ベタシアニン」となりますが、この「ベタレイン」「ベタシアニン」の「ベタ」とはラテン語でビーツに由来しています。この「ベタレイン」は他にもブーゲンビリアやアマランサスに含まれていますが、もともとビーツ発信の成分だったのです。「ベタシアニン」は強い抗酸化作用があるとされています。
考え方を変え、色を活用してみる
ここでは、色移りを防ぐのではなく、ビーツの色の活用方法を具体的にレシピも含めて紹介します。
色移りを止めることを諦めて、ビーツの色を活用する
色移りを避けて盛り付けをきれいにするのも料理の見た目を大切にする一つですが、このビーツの色を大切に料理に活かすこともまた一つです。この場合は料理全体、もしくはビーツの周りはビーツの色になってしまいますが、これは割り切ってきれいな料理にしてみてください。例えばピューレにしたビーツを使ったドレッシングを作ったり、パンやピザの生地にピューレを練り込んでピンクのパンなども作れます。また、サラダなどでも色を活用すればちょっと見た目にも味わいも斬新な料理もできるかと思います。ここではその例としてポテトサラダを紹介します。
【レシピ紹介!!】ビーツのポテトサラダ
鮮やかなピンクのポテトサラダです。混ぜて色を移す部分と、分けて調理することで皿の上で色を分ける部分に分けます。
「ビーツのポテトサラダ」 (4人前)
材料
・ビーツ | 1個 |
・じゃがいも(男爵) | 2個 |
・玉ねぎ | 1/2個 |
・ベーコン | 80g |
・さやいんげん | 6本 |
・ミニトマト | 6個 |
・かいわれ大根 | 1束 |
・マヨネーズ | 大さじ2杯 |
・白ワインビネガー | 10ml |
・オリーブオイル | 30ml + 10ml |
・塩 | 適量 |
・胡椒 | 適量 |
作り方
- step①ビーツを茹でてカットする
ビーツは中心まで串が通る程度にしっかり茹でてから皮を剥き、2cm角にカットします。
- step②じゃがいもを茹でてカットする
じゃがいもは皮を剥き3cm角にカットしてから茹でて水気を切ります。
- step③玉ねぎをカットする
玉ねぎはスライスして水にさらした後、しっかり水気を切ってください。
- step④ドレッシングで和える
大きめのボールにマヨネーズと白ワインビネガーオリーブオイル30mlをあわせ①②③を加えてしっかり和え、塩と胡椒で味をととのえます。
- step⑤ベーコンの準備をする
ベーコンはバトン状にカットして弱火で炒めて余分な脂を落としておきます。
- step⑥さやいんげんの下処理をする
さやいんげんは筋を取り塩をした湯で茹でて斜めにスライスしてください。
- step⑦ミニトマトとかいわれ大根を用意する
ミニトマトは半分にカット、かいわれ大根は根本を切り落としきれいにしておきます。
- step⑧材料に味をつける
⑤⑥⑦のそれぞれの食材をあわせ塩ひとつまみとオリーブオイル10mlで和えておきます。
- step⑨盛り付け仕上げ
皿に④のポテトサラダを盛り付けその上に⑧をのせて完成です。
ビーツの色移り まとめ
ビーツの色移りを軽減する方法と、色を料理に活用する方法を紹介しましたが、見た目だけにこだわる、味にこだわる、栄養も大切にする。ということでTPOというか用途に合わせて使い分けてください。
最後までご覧いただき、ありがとうございます。