「オニオングラタンスープ」のお手軽レシピと歴史|「玉ねぎ」の薀蓄

玉ねぎ onion
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オニオングラタンスープは、玉ねぎで作った甘いオニオンスープに、バケットのスライスとチーズをのせてオーブンで焼いた料理です。作りたいけど手間がかかりそうな気がしてあきらめている方に、おうちで楽しめるオニオングラタンスープのレシピを紹介をします。記事後半は、オニオングラタンスープの歴史や、主役の玉ねぎについて薀蓄を紹介しています。一度作って楽しんでみてください。


簡単、美味しい「オニオングラタンスープ」レシピ紹介

【レシピ】「オニオングラタンスープ」

寒い時期にはたまらない体身の芯から温まるこのスープは、器ごとオーブンで熱々に焼き玉ねぎの甘さとチーズの香ばしさを楽しみます。本来は、スープを器に入れてからクルトンとチーズをのせてオーブンでグラタンにしますが、今回は少しお手軽な作り方をお伝えします。

オニオングラタンスープ画像 リヨネーズグラタン onion

「オニオングラタンスープ」  (4人前)
材料               

・玉ねぎ2個
・オリーブオイル適量
・水 800cc
・コンソメ(顆粒)10g
・塩適量
・バケット7mm幅スライス8枚
・グリュイエールチーズ適量

作り方

▷① 玉ねぎは皮を剥き繊維方向(縦)にスライスします。

▷② バケットを7mm幅のスライスにしてトースターで軽く焼きます。
※バケットがない場合は他のパンで代用OKです。

▷③ 軽く焼けたパンにグリュイエールチーズをたっぷりのせて、もう一度トースターで焼き、チーズを溶かしてください。

▷④ 口の広い鍋に少しのオリーブオイルを入れて火にかけ、スライスした玉ねぎを入れて飴色になるまで炒めます。

▷⑤ 玉ねぎがしっかり色づいたら水とコンソメ(顆粒)を入れて煮溶かし、しっかり玉ねぎの旨味を液体に移していきます。

▷⑥ スープに塩と胡椒で味を整えたら器に注ぎ、③のパンをのせて
熱いうちに食卓に出してください。


※玉ねぎを炒めるときは最初は水分を引き出すように弱めの火加減で始めます。その後、焦げないように火加減を徐々に中火くらいにします。焼き色がついてきたら少量の水を加えて鍋肌に付いた旨味を溶かしながら、焦がさないように仕上げてください。

オニオングラタンスープの歴史

フランスの玉ねぎ産地のリヨンの料理であるオニオンスープ。このスープをグラタンにした、オニオングラタンスープはパリで生まれました。今ではリヨンでもリヨネーズグラタンと呼ばれ、楽しまれているオニオングラタンスープについて紹介します。

オニオングラタンスープとリヨネーズグラタンは別物?

リヨネーズとはリヨン風(ア・ラ・リヨネーズ)の意味で、フランス中南部にあるフランス第2の都市リヨンの料理を指します。また、玉ねぎのスライスをじっくりきつね色に炒めたものをリヨネーズと呼び、この玉ねぎの甘さを楽しむスープがリヨン料理のオニオンスープです。
一方、オニオングラタンスープはパリで生まれた料理です。オニオングラタンスープは、リヨン風のオニオンスープをグラタンにした料理として誕生しました。パリのモンマルトルやレ・アルの市場などのビストロで夜食として、また、市場で働く人々の仕事前の活力としてパリジャンに愛された料理です。

オニオングラタンスープにまつわる名称まとめ

  • オニオンスープ・・・玉ねぎの産地リヨン発祥の料理です。
  • オニオングラタンスープ・・・オニオンスープをグラタンにした料理、パリで生まれました。
  • リヨネーズ・・・リヨン風という意味、玉ねぎをきつね色に炒めた物のことも指します。
  • リヨネーズグラタン・・・リヨンではオニオングラタンスープはリヨネーズグラタンと呼びます。

古典の記載

約120年前にまとめられたフランス料理の古典と言われるエスコフィエのル・ギド・キュリネールには以下のように記されています。

ポタージュ・ガルビュール・クーペ
薄切りにした大きな玉ねぎ3個分をバターでごく静かにきつね色に炒める。白いコンソメ11/4Lを注ぎ、10分間煮てからスープ鉢の中でシノワで濾して玉ねぎのピュレを作る。
細長いパンの輪切りを上にのせて、おろしチーズをふんだんにふりかける。溶かしバターをかけて強火でグラチネして、すぐに供する

LE GUIDE CULINAIRE / A.ESCOFFIER

この本ではオニオングラタンスープと同一の料理名はないのですが、このような料理が紹介されています。


「玉ねぎ」について薀蓄

ここからは玉ねぎについて特徴や扱い方のコツを紹介しています。

玉ねぎの血液サラサラ成分について

「玉ねぎ」は決して全体的に栄養価が高い野菜ではないですが、硫化アリルを多く含み、血液サラサラ効果があるとして注目されているため体に良い印象が強いですね。こちらの成分(硫化アリル)は水溶性なので、切ったあとに水に長時間さらすと水に溶け出てしまいますので注意して下さい。

玉ねぎを買って保存する時のポイント

玉ねぎを選ぶ際は、よく乾燥しており身の詰まった玉ねぎを選んでください。見た目に関して、皮に艶があるものを選ぶようにして、玉ねぎの頭の部分を見て、発芽の傾向が見られるものは避けるようにして下さい。また、ご家庭で玉ねぎを保存する場合は冷蔵庫に保存で問題ないのですが、風通しの良い日陰に吊るしておいても長期間保存できます。

玉ねぎ軒下画像 onion

玉ねぎをスライスする向きは縦?横?

玉ねぎは基本的に皮を剥いて使用します。スライスする場合、切り分ける方向は用途によって繊維方向に切る場合(縦)と繊維を断ち切るように切る場合(横)があります。切り方の使い分けですが、辛味の成分を抜きたい場合は、繊維を断ち切る(横)様に切り分け、食感を残したい場合は繊維方向(縦)に切り分けて下さい。また、櫛形に切り分ける場合は、外側と内側を分けて切り分けると同じ位の大きさに揃えやすいです。

玉ねぎ onion

「黄玉ねぎ」と「新玉ねぎ」の生産について

一般的な黃玉ねぎの収穫は夏から秋にかけて行います。収穫後、乾燥させるため一定期間は貯蔵されてからの出荷となります。貯蔵庫から順次の出荷を行うため、黄玉ねぎは、周年安定して流通させることができます。
新玉ねぎは春玉ねぎともとも呼ばれ、4〜5月が出荷時期となります。そのため春玉ねぎは、流通期間が春に限られます。また、国内の出荷量はダントツで北海道で、その他の産地としては兵庫県の淡路島などが有名です。

ピラミッド建設の日当は玉ねぎ

玉ねぎの原産地は中央アジアです。紀元前3000年頃にはすでにエジプトで栽培化されていたようです。昔は玉ねぎの皮がペルシャ絨毯の染料に使われていたり、古代エジプトではピラミッド建設の奴隷たちに日当として配られていたというくらい昔から馴染みの深い野菜でした。その後、欧米には16世紀ごろ伝わり、広く生産されるようになりました。
玉ねぎが日本へ入ってきたのは江戸時代のことです。ただし、日本で全国的に栽培が始まったのは明治に入ってからのことになります。

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