「アスパラガスのフランドル風」はシンプルな調理で、とても美味しいフランス料理です。アスパラガスと卵という絶妙な組み合わせなのでご家庭で楽しむ場合は、茹で加減などの許容範囲も広く考えていただけるのではないでしょうか。アスパラガスの扱い方や調理のコツは記事後半で解説していますので、ぜひ参考にして楽しんでください。
簡単、美味しいアスパラガスを使ったレシピの紹介
【レシピ】「アスパラガスのフランドル風」
茹でたアスパラガスにマヨネーズやドレッシングをかけるだけで美味しいサラダの完成です!!
普段の茹で野菜にちょっとひと手間加えると伝統的フランス料理になりますよ。
「アスパラガスのフランドル風」 (2人前)
材料
・茹でたアスパラガス | 6本 |
・エクストラバージンオリーブオイル | 50g |
・固茹で卵の黄身 | 1個分 |
・刻んだハーブ(パセリなど) | 少々 |
・塩 | 適量 |
・黒胡椒(なければ白胡椒でも構いません) | 適量 |
作り方
▷① アスパラガスは必要な下処理をして長さを半分に切りそろえ、穂先側と根元側のそれぞれを適切な時間ゆでてください。(下処理に関しては記事後半に記載していますアスパラガスを上手に茹でるコツの項目を御覧ください)
▷② エクストラバージンオリーブオイルにゆで卵を刻んで入れ、そこに刻んだハーブも合わせておきます。
▷③ 茹でたアスパラガスを器にならべ、上から②の卵のソースをかけます。
▷④ ③の器に上から塩と粗めに挽いた黒胡椒を適量振りかけ完成です。
フランス料理の古典「エスコフィエ」の記載
アスペルジュ・ア・ラ・フラマンド
フランドル風に供する時は、会食者1人当たり、温かいゆで卵1/2個と溶かしバター30gを添える。この卵の黄身は会食者自身が皿の上でつぶして、塩、こしょうをし、バターを補って食べる。この添え物は、前もって作っておいたものを、ソース入れで供してもよい。
LE GUIDE CULINAIRE / A.ESCOFFIER
この120年前に書かれたレシピによると、各自食べるときにゆで卵の黄身を潰して溶かしバターと和えてアスパラの付け合せ兼ソースとして食べる料理だったようです。
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アスパラガスの扱い方、調理のコツ
アスパラの保存は乾燥を防ぐことがコツ
「アスパラガス」は収穫から鮮度が下がるにつれて風味の劣化も始まり苦味が出てくるため早めに処理したほうが良いです。2〜3日の冷蔵保存する場合は、ラップフィルムなどで乾燥を防ぐようにして、穂先を上に向けて立てた状態で保存してください。
もしくは、コップのようなもので少量の水を入れてそこに立てても良いでしょう。
使い切るのが難しいなどの状況で長期保存が必要な場合は、軽く茹でてから水気をきった状態で冷凍保存も可能です。
(この場合の茹で時間は太さに合わせて2〜3分を目処に茹でてください)
アスパラの目利きのコツは穂先と切り口を見ること
「アスパラガス」を選ぶときは、穂先の緑が鮮やかなものを選ぶようにしてください。鮮度は切り口ができるだけきれいで茎にシワがなく張りがあるかどうかで判断するとわかりやすいです。
「アスパラガス」には雄株と雌株があり、雄株のほうが比較的根本が太くまた締まった身になります。
アスパラガスを上手に茹でるコツ
「アスパラガス」は根本から数センチの硬い部分は切り落とし、表面の筋が硬い部分(根本から10センチ程度)の皮を剥き、不要な袴をはずし塩ゆでして使います。茹で上がりは氷水に落とし火の通りを止め、発色をよくしてください。
根本と穂先では火の通り方が違うため、均一な仕上がりのためには深めの鍋でたっぷりの湯に根本からつけて時間差で茹でるのがポイントです。また、炒めものに使用する場合は茹で時間を短く、揚げ物の場合は茹でずに使用することも可能です。
アスパラガスの豆知識
アスパラガスの栄養素アスパラギン酸
「アスパラガス」はスタミナ回復に効果的なアスパラギン酸を含んでいます。
アスパラギン酸とはアミノ酸の一種で、タンパク質の代謝を促進する効果があります。
このアスパラギン酸はアルギン酸と一緒に摂取することで吸収効果が高まるので、アルギン酸を含むわかめなどと合わせて調理すると更に効果が期待できます。レシピはこちらの記事を御覧ください。
アスパラの収穫時期は長い
アスパラガスはかつて日本では、冷涼な北海道や長野県で生産していましたが、今では佐賀県や長崎県など九州でも生産されています。「アスパラガス」の日本での本来の旬は4月〜6月頃が収穫時期ですが、収穫可能な時期は、同じ株で11月ごろまで収穫となりますので比較的長期間の収穫、出荷を行うことができます。
現在ではハウス栽培、水耕栽培などを行うことで通年収穫もできるようになっているのですが近年、国内生産は減少傾向にあります。国内での流通量の不足はオーストラリアやアメリカ、メキシコなどからの輸入で補っています。
アスパラの来歴や歴史について
アスパラガスは南ヨーロッパ原産、ユリ科の多年草の根茎から出る若茎を食する野菜です。南ヨーロッパに自生していたアスパラガスは、紀元前200年頃に栽培されていた記録が残っており、古代ローマ人や古代エジプト人は好んで食していたようです。フランスではルイ14世の時代に栽培が始まり同時に温室栽培の技術も考案されました。
アスパラガスは、日本へ1781年に観賞用としてオランダ人より伝わりました。最初は鑑賞用として食用にはされなかったのです。その後、食用として栽培が始まったのはそこから約100年後の19世紀後半になります。
アスパラガスまとめ
今回はフランドル風のレシピ紹介でしたが、出汁で茹でたアスパラをミキサーでピュレにすればスープにもなります。アスパラのピュレからムースやソースを作ることもできます。アスパラガスは冷菜から温菜、付け合せにもメインの食材にもなれる万能な野菜なのです。
アスパラガスはいろいろな食材との相性もよく柔軟に立ち回れるがしっかり存在感を発揮する、そんな野菜ではないでしょうか。今回紹介したアスパラガスのフランドル風もアレンジしてみてください。