【レシピ】ソースポワブラード|中世ヨーロッパで金と同様の価値?「胡椒」の扱い方、豆知識

胡椒と胡椒挽き(ムーラン)
スポンサーリンク

胡椒は世界中で使われているスパイスです。様々な料理でなくてはならないスパイスの一つですが、使い方の多くは、塩・胡椒として味付けで使う常套手段になっていたり、「カルボナーラの上に黒胡椒」という使い方にとどまっていませんか?ここでは、「ソースポワブラード」という胡椒を効かせたソースのレシピ紹介とともに、扱い方や豆知識も紹介して、胡椒の使い方をほんの少し広げてみたいと思います。

胡椒画像、ミニョネット pepper

簡単、美味しい胡椒を使ったレシピの紹介

【レシピ】「ソース ポワブラード」

フランス料理では、胡椒を効かせたソースなどもあります。いつもの料理にピリッと刺激を加えてみてはいかがでしょうか。

「ソース ポワブラード」
材料

・牛すじ肉200g
・玉ねぎ1/4個
・人参1/4本
・白ワインビネガー(なければ酢)100cc
・ブイヨンキューブ 5g
・水300cc
・デミグラスソース(缶)300g
・黒粒胡椒10粒

作り方

▷① 牛すじ肉を適当な大きさにして熱したフライパンに油をひき焦がさないように気をつけながら色よく焼いてください。(肉から出てくる余分な油はキッチンペーパーなどで拭き取ってください)

▷② 薄切りにした玉ねぎと人参を①のフライパンに加え焼いていきます。

▷③ ②のフライパンの中身が色よく焼けたら白ワインビネガーを加え鍋肌についた肉の旨味も煮とかします。

▷④ ③の液体が半分程度煮詰まったら水とブイヨンキューブを加え更に煮ていきます。

▷⑤ 十分に肉の味が液体に出てきたらデミグラスソースを加えます。

▷⑥ 用意した黒胡椒を瓶の底などで押して荒く潰し、⑤に加え香りが出るまで煮ます。

▷⑦ 漉して塩で味を整え肉料理などに使うソースにしてください。

色とりどりの胡椒の画像 pepper

胡椒の扱い方

胡椒の選び方|胡椒を選ぶ時の確認事項

胡椒の種類に関わらず、粒の大きさと色にばらつきがなく、実の硬い物が好ましいです。香りを確認できる状態であれば、香りのしっかりしたものを選ぶようにしてください。

風味を活かす胡椒の保存方法

胡椒は長期保存は可能なので粒のまま瓶に詰め保存してください。挽くと風味を失っていくので、挽いたものを使うのではなく、使用の都度挽くようにすることがしっかり胡椒の風味を活かすポイントです。

粒胡椒の使い方|挽きの粗さと風味、辛味の関係

粒胡椒は粗挽きにすると細挽きより辛味が少なく、風味を楽しむことができます。粗挽きの胡椒のことをミニョネットと呼び料理の仕上げに使います。また、出汁を取るときは挽かずに粒のまま使用してください。胡椒は卵料理や肉料理で粗挽きの黒胡椒などでアクセントにしたり、魚をフライパンで焼く前に臭み消しなどにも使用できます。
デザートに胡椒の香りでアクセントをつけたいときは、白桃をシロップで煮てコンポートを作る際に、シロップに数粒の黒胡椒をそのまま入れるだけで爽やかなアクセントをつけることができる他、様々なフルーツにも活用できます。

胡椒の豆知識・種類別特徴

胡椒の種類別の特徴解説

胡椒は白、黒、緑など色別に作り方や用途に違いがありますので、それぞれ個別に解説していきます。

黒胡椒(ブラックペッパー)は未完熟の緑の実を収穫してから1週間程度天日に干して作られます。
辛味も強いですが、各食材に合わせやすいという特徴があります。
胡椒の持つ爽やかな香りや辛味の成分は外皮に含まれているため、外皮ごと使われる黒胡椒は他の胡椒に比べて風味が強くなる傾向があります。

白胡椒(ホワイトペッパー)は完熟した実を摘み流水に2週間漬けたのち皮を剥きそれを天日に干したものです。外皮を取り除いて乾燥させるため黒胡椒に比べるとマイルドな風味となります。黒胡椒を使うと色がどうしても気になってしまうような場合に白胡椒で香りをつけることができます。

緑胡椒(グリンペッパー)は未完熟の実を摘んで酢や塩水に漬けたもので、現在では冷凍のものや乾燥させたものも出回っています。
グリンペッパーの風味は黒胡椒よりフルーティなものになります。

ピンクペッパーというのもありますが
こちらはウルシ科の植物の実なので、胡椒とは異なる植物です。

胡椒の産地、流通について

胡椒の原産地はインドです。主に熱帯地方で栽培されており、現在の主産地は、インド、インドネシア、マレーシアなどで南米のブラジルでも生産されています。その中で、ブラジルのものは日本人が苗木を持ち込み栽培したのが始まりと言われています。

胡椒の生産時期

胡椒の収穫時期は6月〜8月ごろです。ただし、胡椒はすぐに出荷するわけではなく、それぞれ加工の工程がありますので、そこから加工して出荷となります。

歴史の中で活躍してきた胡椒

紀元前1000年頃にはインドの書物に、胡椒について薬用植物として記載があります。その後、胡椒は、紀元前5世紀にアラビア人によってヨーロッパに伝わっています。そのヨーロッパで胡椒は肉などの臭み消しに有用であるとして珍重されていました。
ヨーロッパで胡椒は、古代ローマ時代からなくてはならない香辛料の一つとして当時は大変高価でした。貴族の間で胡椒は、ステイタスを表すものとして金と同様な価値で扱われていたという話もあります。例えば、中世ヨーロッパでは、胡椒を使って税金を支払うこともあったとの記録も残っています。また、ベネチアやジェノバのような港町が栄えたのは胡椒貿易によるもので、町や国の発展に大きく寄与しています。現在では世界中で手に入り、とてもポピュラーな香辛料となった胡椒ですが、様々な歴史の舞台で活躍していた香辛料と言えるのではないでしょうか。

タイトルとURLをコピーしました