グリンピースのア・ラ・フランセーズは、フランス料理の定番付け合せのひとつです。日本では、グリンピースのバター煮とも呼ばれるこの料理の基本的で、美味しいレシピを紹介します。使うグリンピースは冷凍のものでも、フレッシュのものでもどちらでも構いません。よかったら、一度作ってみて下さい。記事後半にはグリンピースの扱い方などを含めたTipsも紹介しています。
簡単、美味しいグリンピースのア・ラ・フランセーズのレシピ
「グリンピースのア・ラ・フランセーズ」
グリンピースのア・ラ・フランセーズは古典的なフランス料理で、グリンピースを食べるときの代表のような料理です。フランス語でフランス風という料理名が付けられるほど、広く食べられている料理です。肉料理、魚料理問わず付け合せとして使って下さい。
「グリンピースのア・ラ・フランセーズ」 (4人前)
材料
・グリンピース | 500g |
・ハム | 100g |
・レタス | 1/2個 |
・水(またはブイヨン) | 500ml |
・無塩バター | 60g |
・塩 | 適量 |
・砂糖 | 10g |
・胡椒 | 適量 |
作り方
- step①グリンピースの下処理をする
グリンピースはサヤから取り出し、水でさっと洗います。
※冷凍のものの場合は水洗い無しで大丈夫です。 - step②レタスとハムをカットする
ハムは1㎝各に切りそろえ、レタスは一口大にしてください。
- step③グリンピースに下味をつける
step①のグリンピースの水分をしっかり切り、少量の塩と分量の砂糖をまぶします。
溶かした無塩バターをかけて絡め、冷蔵庫または、涼しい場所に30分置いておきます。 - step④材料を順に鍋で加熱する
鍋にバター(分量外)を熱してハムを炒め、step③のグリンピース、レタス、水を入れ蓋をせずに煮込んでいきます。
- step⑤仕上げ
グリンピースが柔らかくなったら塩と胡椒で味を整えて完成です。
フランス料理の古典「エスコフィエ」の記載
プティ・ポワ・ア・ラ・フランセーズ (青豆フランス風)
さやから出したばかりの青豆1L、レタス、パセリ2枝、セルフィユ2枝で作ったブーケ、小玉ねぎ12個、バター125g、塩10g、砂糖のかたまり20gを少し大きめのカッスロールに盛り、この野菜をよくかきまわしてなじませ、調理にとりかかるまで冷たいところに置く。豆を煮る間際に水大さじ1杯を注ぎ入れ、トロ火で、蓋をしないで煮込む。鍋を下ろしてブーケを取り出してバターでつなぎ、レタスの4つ切りを、豆の上にのせて供する。
Le GUIDE CULINAIRE / A.ESCOFFIER
〈注〉青豆にきざんだレタスを生のまま加えてもよいが、味が気になるので丸ごと煮た方がよい。
このエスコフィエの書いたレシピは120年以上前に作られたものです。あくまでも参考としてご覧下さい。おわかりでしょうが、ここに書かれている「青豆」と和訳されているのがグリンピースのことです。フランス語ではpetis pois(プティ・ポワ)です。
グリンピースの扱い方・Tips
グリンピースは出世魚の様に呼び名が変わる
グリンピースは使用する時の形状や、成長段階で呼び方が変わります。使い方に適した品種がありますが、「絹さや」に関しては品種でなく5〜6cmと小ぶりなときに若採りしたもので中の豆が非常に小さいもののことを指します。その後成長したものは「さやえんどう」となります。さやの中の豆を食用とする品種を若取りして中の豆を使うものを「グリンピース」さやの中の豆を取り出し乾燥豆にするものを「えんどう豆」と呼びます。えんどう豆のみ乾物としてのカテゴリに分類され、「グリンピース」「絹さや」「さやえんどう」は野菜の扱いです。「さやえんどう」の栄養素はデンプン、タンパク質、食物繊維を豊富に含んでいて、カリウム、やビタミンB群も含んでいます。さやえんどうよりグリンピースのほうが糖質も2倍近く含んでおり、カロリーも高くなります。
フレッシュのグリンピースの選び方
フレッシュのグリンピースを選ぶときは、サヤ付きのものを選んでください、むいた状態の物は乾燥しやすく、固くなります。また、サヤは鮮やかな緑色で粒がふっくらと膨らんで揃っているもの、が良質なものになります。
グリンピースを柔らかく、きれいに茹でるコツ
フレッシュのグリンピースを茹でるときは、スジをとってサヤから豆を取り出し、沸騰した湯に塩をして2〜3分茹でます。注意しないといけないのは、茹でた後すぐに氷水に落とすと皮にシワが入ってしまいます。きれいにふっくら仕上げるには、ゆっくり温度をさげるほうが良いです。
ゆっくり温度を下げる方法は、茹でた鍋の湯を捨てず、そこにゆっくり水を入れていき冷やします。
また、料理への用い方にもよりますが、皮を柔らかく仕上げるには、むいた豆に少しの塩と砂糖をまぶし、溶かしたバターをかけて絡めた後、一度冷蔵庫などで冷やします。豆がバターを纏った状態になってから茹でると皮を柔らかく茹で上げることができます。
むいたグリンピースはすぐに調理しましょう
フレッシュのグリンピースを保存するには、さやの状態ならビニール袋などに入れて冷蔵庫に保存すれば2日〜3日保存できます。さやを開けてむいた状態にしたら乾燥が早くなりますので、もしすぐに消費しないようなら一度茹でてしまい、その後冷凍しておくと数週間は美味しく使えます。
グリンピースの主要産地はどこ?
グリンピース(さやえんどう)は、中国、インド、アメリカなどが世界でも生産量の多い国です。その他、ヨーロッパではフランス、特に南フランスの収穫量が多くなっています。日本のグリンピースの主な産地は、和歌山県が最も収穫量が多く、鹿児島県がそれに続きます。グリンピースの日本国内の生産時期は、秋蒔きのものを4月〜6月に収穫したものが美味しいとされています。グリンピースは夏の暑さには弱いので、夏までに収穫したものが良いグリンピースということです。
グリンピースは奈良時代には日本で栽培されていた?
グリンピースの原産地は中央アジアから中近東にかけてとされ、そこから地中海沿岸を西に伝わりヨーロッパに広がりました。東へはインドから中国を経て日本へ伝わったとされます。栽培化の正確な始まりは定かでありませんが、新石器時代には何らかの栽培がなされていたようです。中世ヨーロッパの食物の不足からの人々の栄養不足を大きく助けたのが11世紀に入ってからの農機具、栽培技術の発展とともにこの豆の存在で人々のタンパク源になっていたようです。日本へは正確な年代が分かっていないのですが、少なくとも8世紀ごろ伝わり、奈良時代には栽培化されていたようです。
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