「リモージュ焼き」の裏にある刻印の歴史や磁器の使い方

リモージュ庁舎 limoges
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高い芸術性で人気のある食器のひとつリモージュ焼きについて、その誕生からの歴史や、磁器の特性、使用するときの注意点等と数カ所の窯(製陶所)について等、知っておくとホテルやレストランでちょっと楽しみが増えたり、少しご自身でも所有されてご自宅で楽しんだり出来るのではないでしょうか。


リモージュ焼きとは

ここでは、リモージュの町や、リモージュで生まれた世界的に愛されている磁器の歴史などについて、栄枯盛衰や裏の刻印に関して誕生から現在に至るまでを紹介します。

リモージュについて

リモージュとはフランス、パリから南南西に260kmのフランス中央部にほど近い町の名前です。リモージュ焼きとはこの街及び近郊で現在も作られている芸術性のとても高い磁器の総称です。白い薄手の素地の上に絵付けを行った後に焼き付けるという手法をとっています。

ヨーロッパでの磁器の歴史の始まり

16世紀に中国から伝わった磁器はヨーロッパ各国の憧れる芸術品で、各国が我先にと開発をしていました。ヨーロッパでの磁器の魁としてはドイツのマイセンです。マイセンも錬金術の研究がいつしか磁器の製造を行っていたのですが、これには大切な要素がありました。そうです、原材料のカリオンです。リモージュもこのカリオンの地層が出たことから白磁の製造へと入るのですが、これには特殊な技術が必要でそう簡単に作れるものではなかったようです。マイセンもこの技術のキーとなるポイントは門外不出でした。(門外不出というより極秘とされていました)ですからリモージュでも独自に研究開発する他ありませんでした。マイセンから遅れること60年あまり、1771年にようやくリモージュ焼きの歴史が始まります。

リモージュ焼きの発展と裏の刻印の始まり

磁器が作れるようになったところでリモージュ焼きが発展したわけではなく、最初はデザインやレパートリーの少なさから経営は上手く行かず、18世紀後半には最初の製陶所がフランス政府に買収される。その後フランス革命の影響などもあり政府からも手放され不遇の時代を過ごします。その後、19世紀に入りパリなどから職人が移ってくるなどして徐々に質の良さが認められてきました。
窯(製陶所)の数も19世紀前半には30箇所あまりに増え20世紀に入る頃にはもう少しで50箇所に届くところまできていました。
この頃ロンドンで開催されたのが世界最初の国際万国博覧会でここにリモージュ焼きからも多くの窯が出品し、これが器の裏に窯印を刻印するようになった一つのきっかけにもなっているようです。

リモージュ焼きの現在

常に新しい技術や新しいデザインを取り入れてきたリモージュは、2度の世界大戦の影響などもあり、20世紀に入ってから生産量は減少していったようですが、現在はフランス内外のレストランでも欠かせない磁器のひとつであることは間違いないでしょう。


リモージュ焼き(磁器)の特徴や扱い方

リモージュ焼きにとどまらず、磁器全般を大切に扱うにはどこに気をつければよいのか、良い状態で使用するためのポイントの紹介です。磁器の特徴と、使用するときの注意点について御覧ください。

磁器の特徴

磁器全体の特徴としては、陶器に比べて固くしまっており、吸水性などはありません。また薄く仕上げられることが多いので持ちやすいものも多くあります。

電子レンジ、食洗機の使用について

磁器の使い方ですが、電子レンジは基本的に使用可能です。ただし、金や銀が施されているものは不可能ですから、その場合、絶対に電子レンジは使わないように注意してください。念の為、基本的に磁器は電子レンジには使わないほうが良いでしょう。また食器洗浄機も基本的には問題ないのですが、破損の原因にもなりますので大切な食器であれば食洗機は使わず中性洗剤と柔らかいスポンジを使って洗うことをおすすめします。また、オーブンのような高温には耐えられませんのでオーブン調理などにも使用しないでください。

リモージュ焼きの使用に適さない料理

リモージュ焼きに関わらず、金や銀などを用いて上から絵付けしてあるようなものに関しては、酸の強い食品をのせてしまうと変色することがありますので注意してください。


リモージュの窯(製陶所)

レイノー社(Raynaud)

レイノー社は、リモージュ生まれ育った自負と誇りを捨てることなく、リモージュ焼き本来の伝統を守り続け、本当の高品質なリモージュ焼きを作り続ける窯のひとつです。ナポレオン3世の時代1843年に誕生したレイノーは、独自の調合による最高品質のカリオンを使い、受注生産によるハイクオリティで創造性にとんだ製品作りを続けています。真っ白な輝きと洗練された絵柄がレイノー製陶磁器の特徴です。あまりの精緻さに手作りと想像つかないほどですが、実際は型づくり、窯の管理や、仕上げの磨き出しまでたくさんの人の手で造られています。世界の一流レストランや王室、多くの大使館でも使われており、故ダイアナ元妃やソフィアローレンといった著名人にも愛用されています。

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