「舌平目」は、太陽王ルイ14世の時代から高級食材になった【扱い方、豆知識を紹介】

「舌平目」は、太陽王ルイ14世の時代から高級食材になった
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舌平目は日本でも多く穫れる魚ですが、ヨーロッパ程流通しておらず、価値もそこまで高く評価されていないのが現状かもしれません。そんな舌平目をフランス料理では高級食材として扱います。本記事ではその目利きから、使い方や歴史について基本的なことや豆知識を記載しています。


舌平目の歴史(日本とフランス)

舌平目が高級魚になったルイ14世統治下のフランス

ヨーロッパでは古代ローマ時代より美食家に好まれていた魚です。蒸煮、ロースト、揚げ物、パテ、煮込み、スープと様々な調理法で楽しまれていました。舌平目が「豪華な高級食材」の仲間に入るのは17世紀の美食家でも知られるルイ14世統治下のフランスでのことです。ある意味国家戦略として食文化の進化に力を入れ、フランス料理が大きく発展していく最中のことです。17世紀の料理の教科書とも言うべきラ・ヴァレンヌが著した「ル・キュイジーヌ・フランセーズ」の中でも舌平目のフリットやパテ、ポタージュ等様々な料理が紹介されています。

日本とヨーロッパでの舌平目の扱いの違い

日本ではこの海底に住む舌平目は泥臭く、あまり珍重されていませんでした。ヨーロッパのものとの品種は全く違うことも原因ですが、日本とヨーロッパでは歴史的にも違う扱われ方をしてきました。江戸時代に書かれた生物の書物では、腐りやすくまた下品な魚として京都には納められないとの記載もあります。近年舌平目の泥臭さは解消されて、フランス料理などで使われるようになっていますが、美味しさはやはりフランスの舌平目とは差があるのが現状です。

舌平目の扱い方、豆知識

舌平目の栄養、特徴

身の脂質は1%程度と極めて低く、水分78%、タンパク質20%、比較的淡白な白身魚です。歩留まりが総重量の50%と可食部分も少ないです。日本ではヨーロッパほどの人気はないようですが、ヨーロッパでは高級魚にカテゴリーされています。特にイギリスとフランスの間にあるドーバー海峡で捕れたものは「ドーバーソール」と呼ばれ、「海の女王」と称されています。

舌平目の選び方、目利き

市場ではわかりにくいことですが、沿岸に生息している舌平目より深いところで、より水温の低いところに生息していた舌平目のほうが味が良くなると言われています。見た目では、体色が鮮やかで透明なぬめりのあるものが新鮮なものの見分け方、また腹がしっかりしていて裏返して白い皮目に血が散っていたりするものは避けましょう。

舌平目の下処理手順

料理の方法や、魚自体の大きさによってフィレにおろしたり、1匹まるごと調理を行ったりします。使い方に合わせて下処理を行ってください。

丸身におろす場合の手順

  1. 裏側の白い皮と上身の両側の鱗を包丁でこそぎ落とす
  2. エラ蓋の下から包丁を入れ、頭とはらわたを取り除く
  3. 水気をしっかり拭き取り、上身の皮を頭から尾に向かって剥ぎ取る
  4. 周りのえんがわと尾を包丁で切り取る

フィレにおろす場合の手順

  1. 裏側の白い皮と上身の両側の鱗を包丁でこそぎ落とす
  2. エラ蓋の下から包丁を入れ、頭とはらわたを取り除く
  3. 水気をしっかり拭き取り、両側の皮を頭から尾に向かって剥ぎ取る
  4. 中骨に沿って包丁を入れ背側、腹側とそれぞれ身を外す

舌平目の産地や旬

日本では「赤舌平目」と「くろうしのした」で生息域が若干違い、「赤舌平目」は日本南部、南シナ海などに生息しているのに対し「くろうしのした」は北海道南部から台湾あたりまで生息している。旬は「赤舌平目」が夏場に旬となり、「くろうしのした」は夏から秋にかけてが旬となります。
世界の産地はヨーロッパやアフリカ、アジアと様々な地域の近海、ほぼ全域で生息しています。


簡単、美味しい舌平目レシピの参考記事

19世紀のパリで生まれ、今でも広く愛され続けている料理を紹介していますので、興味の有る方は合わせて御覧ください。

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