「プティサレ」素朴であり繊細な豚肉の塩漬けの使い方

プティサレ pork
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プティサレは豚肉の塊(バラ肉、肩バラ肉、スペアリブ、肩ロース肉)などを塩漬けにしたもので、料理としては伝統的にポテなどに用いられます。燻製する前のベーコンといえばわかりやすいでしょうか。プティサレと組み合わせる野菜はキャベツや豆類が多く、アルザスの地方料理であるシュークルートに使うこともあります。作り方は大きく二つに分けることができます。ソミュールという漬け汁ににつける作り方と、直接塩を揉み込む方法です。この二通りの作り方の使い分けですが、比較的大きな塊の肉の場合、ソミュールに漬ける作り方を用いることが多いです。この記事では、乾塩法という直接塩を揉み込む方法を説明します。フランスでは通常はプティサレ(薄塩)と表示して、加熱しないものを販売しているのでそれを使いますが、日本ではプティサレは入手しにくいです。ご自宅でも簡単にプティサレを使えるように、豚肉のブロックを使い、プティサレの作り方とプティサレで作るポテのレシピを紹介したいと思います。


【レシピ】プティサレの作り方

プティサレの材料

豚バラブロック 500g
【合わせ塩】
 塩   15g
 砂糖  8g
 胡椒 2g

プティサレの作り方

豚肉に合わせ塩をまぶし、よく揉み込みラップフィルムまたはポリ袋で包み空気をしっかり抜きます。冷蔵庫のチルド室など温度の低いところで1週間〜10日間保管してください。
※豚バラは用途に合わせて他の部位でも構いません。


簡単、美味しいプティサレを使ったレシピの紹介

【レシピ】「ポテ」

この料理は、煮ている時の火加減がすべてを左右します。手はかからない料理ですが、それだけに基本を抑えていないとごまかしが効かない料理でもあります。ゴールは旨味たっぷりの美しく澄んだスープです。ここで言う基本とは火加減とタイミングの見極めです。グラグラ沸騰させない、肉の柔らかさと野菜の投入タイミング、それぞれのコンディションや大きさなどによって変わってきます。調整は必要ですが、基本は以下の作り方を参考に作ってみてください。

「ポテ」  (2人前)
材料

・プティサレ500g
・キャベツ1/4個
・メークイン(茹でてから皮を剥いておく)2個
・水適量
・マスタード適量

作り方

▷① プティサレを水で洗ってから流水で30分塩抜きをしてください。

▷② 鍋に①のプティサレとしっかり浸かる量の水を張り火にかけます。

▷③ ②の鍋が沸騰してくる直前で出てきたアクをすべて取り除いてください。(※グラグラと沸騰させないように火加減に注意してください)

▷④ 火加減をごく弱くしてギリギリ沸騰する程度で、鍋のフタはせず2時間を目処に煮ます。

▷⑤ 煮ている間水分が減ってきたら適宜減った水分は時々足してください。

▷⑥ 2時間過ぎて肉が柔らかくなったらキャベツを1/4個サイズのまま鍋に加え、更に30分煮ます。

▷⑦ 皮を剥いたメークインを鍋に加えます。そこから20〜30分煮て完成です。

▷⑧ 一度完全に冷まして味をなじませると、野菜や肉の中まで味が染み込みます。肉やキャベツを切り分け、別の鍋で温め直してから皿に盛って完成です。

▷⑨ 好みでマスタードを添えてテーブルへ。


プティサレの扱い方

プティサレを使うことのメリット

プティサレは生の肉に比べると、基本的には風味や、火の通りが良くなります。また、生肉より日持ちがよくなりますが、プティサレはそもそも冷蔵庫のない時代に生まれた保存食であるということを考えると当然のことかもしれません。「風味が良くなる」「保存が効く」「調理しやすくなる」というのが、プティサレを使う大きなメリットです。

プティサレを使う前の塩抜きについて

プティサレを使うときは、水に漬ける、または流水にさらすなどの塩抜きを行ってから調理に用いるようにしてください。塩抜きの時間や方法は見極めが難しく、塩分に対して水が少ないと塩分が必要なだけ抜けず塩味のきつい料理になり、塩分の少ないものに対して流水で行ったり、必要以上の水の入れ替えを行うと味がボケてしまう原因になります。今回ここで説明した作り方の場合は流水で30分行うのが目安です。

エスコフィエの「ギドキュリネール」では

塩豚は真水でゆでる以外に方法はない。ガルニチュールには茹でてブレゼ(蒸煮)したキャベツかじゃがいものピューレを付け合わせ、別に煮汁を少し添える。これは十分茹でてソミュールの味を消してからならキャベツと一緒に煮ても良い。さもないとそのガロニチュールに味が移ってしまう。

Le GUIDE CULINAIRE / A.ESCOFFIER

フランス料理の古典と言われるエスコフィエにはこのような記述があります。これはポテを指しているのではないでしょうか。

最後までご覧いただき、ありがとうございます。

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