帆立貝を焼いた時の表面の焼き色や、香ばしい香りや味わいは他の食材や調味料との相性も良く、好きな人も多いのではないでしょうか。今回は帆立貝をフライパンで焼いて食べる、シンプルで美味しいレシピの紹介です。帆立貝の加熱調理を美味しくするヒントも記事後半に紹介していますので、ぜひご覧ください。
簡単、美味しい帆立貝を使ったレシピの紹介
【レシピ】「帆立貝柱のプロバンス風」
シンプルに帆立貝柱を焼き、美味しく食べるレシピです。小難しいことはしませんが、焼き方のコツなどもありますので基本に沿って作って下さい。ちなみにポワレとはフライパンで油脂を使って焼く調理法です。

「帆立貝柱のプロバンス風」 (4人前)
材料
・帆立貝柱(中) | 8個 |
・トマトフォンデュ | 120g |
・エルブ・ド・プロバンス | 小さじ1程度 |
・エクストラバージンオリーブオイル | 小さじ4 |
・水 | 適量 |
・塩 | 適量 |
・胡椒 | 適量 |
作り方
- step①ホタテ貝柱の不要な水分を除く
帆立貝柱をキッチンペーパーなどの上にのせて両面の水分を取り除き、塩を振ります。
(必要ならあて塩をして15分程度冷蔵庫で休ませてください) - step②トマトフォンデュを用意する
鍋でトマトフォンデュを温めます。トマトフォンデュにエルブ・ド・プロバンスを加え、香りを付けます。 水で濃度を調整し、塩で味を整えて下さい。
- step③ホタテ貝柱をソテーする
フライパン(可能なら厚手のもの)を火にかけ温めます。温度が上がったらオリーブオイル(分量外)をひき、①の帆立貝柱を焼いていきます。帆立貝柱に焼き色がついたら、反対の面も焼きます。
- step④盛り付け・仕上げ
皿にトマトフォンデュをのせ、その上に焼き上がった帆立貝柱、上からエクストラバージンオリーブオイルを回しかけて完成です。
参考記事(トマトフォンデュ)
トマトフォンデュに関してはこちらの記事をご覧ください。
帆立貝の扱い方、調理のヒント
帆立貝柱の美味しい焼き方のヒント
- 帆立貝柱は焼く前にキッチンペーパーなどで両面の水分を拭いて下さい。
- 焼くときは、可能であれば厚手のフライパンを使っって下さい。
- 適切に温度の上がったフライパンで焼きます。適度にフライパンを熱することなく、低温のフライパンで焼きださないようにしてください。
- フライパンにのせたら、焼いてる面に焼き色がつくまで動かさず、フライパンも揺すったりしないようにして下さい。
- 焼色は必要ですが、焦げると苦味が出るのでフライパンの温度の上がりすぎに注意し、焦がさないようにして下さい。
- 焼き加減は、箸や指で押してみて弾力で確認して下さい。
- 焼きすぎると固くなるため、焼き上がってから再加熱は避ける方がよいです。
- 焼き油はオリーブオイルでも良いですが、帆立貝はバターとの相性が良いです。おすすめは澄ましバター(バターを溶かした時の上澄み部分)です。
帆立貝を美味しく保存するヒント
新鮮な生の帆立貝は、基本的にすぐ使う方が美味しく食べられるのですが、使い切れない場合は殻から身を外してください。貝柱ヒモを分けるなど下処理をした状態で、ラップフィルムなどに包み冷凍が可能です。
帆立貝の鮮度を見分けるヒント
帆立貝は、用途にあわせて殻付きの物、剥き身の物、貝柱のみの物、更に生や冷凍など様々な物から選ぶことができます。その都度、使い方に合わせた適当なものを選ぶようにしてください。生の帆立貝の場合は、貝殻が閉じているもので鮮度の良いものを選ぶと良いでしょう。ヒモの部分が鮮やかなオレンジ色のものが鮮度の良い帆立貝の目安です。

帆立貝の殻と身の外し方、手順とコツ
- step①利き手の反対の手で帆立貝を持つ
帆立貝の殻の丸みを帯びている側を下にして、蝶番を向こう側に持ちます。
- step②利き手にパレットナイフを持つ
手前の隙間からパレットナイフを上側の殻に沿って入れると開きます。
- step③上側の殻と身を外す
上側の殻を取り外し、身の下にもパレットナイフを入れます。
- step④下側の殻と身を外す
下の殻から身を外して、ヒモを取り除き、貝柱にして下さい。
- step⑤きれいに流水で洗う
ヒモに砂などが付いているものはしっかり流水で洗い落とし、水気を切ります。
- step⑥3分割完了
これで殻、貝柱、ヒモに分けることができます。
帆立貝柱の豆知識
帆立貝に含まれる旨味成分
イタヤガイ科の二枚貝の帆立貝は、主に貝柱の部分と、その周りについていヒモと呼ばれる部分に分けることができますが、基本的に両方可食部です。ホタテ貝はうまみ成分であるコハク酸を大量に含んでいるので、口の中でとろけるような深い味わいがあり、生臭みやクセのない貝として様々な料理に使われています。
日本の帆立貝の主な産地
日本では青森県や北海道が主な産地となり、養殖のものが多いです。冷凍でも遜色のない旨味を持っているため1年中入手が可能です。また、養殖では産卵から約3年で出荷できる大きさまで成長します。
帆立貝の名前〜なぜフランスでは聖人の名前がついているのか
帆立貝はフランス語ではcoquille Saint-Jacquesと呼ばれ、聖ヤコブの名前で呼ばれています。これは、巡礼地を目指して歩く巡礼者の修道服に貝殻の模様をなぞらえて、その名前が付いたとされています。一方、日本の「帆立貝」という名前ですが、こちらは殻ごと焼いた時に開いた殻の様を帆掛け船に見立てて、付けられた名前ではないかとの説があります。どちらも、あのインパクトの有る殻の見た目から名前が付いているんですね。
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