今回は、ごぼうを使ったフランス料理の紹介をいたします。ごぼうをホクホクと蒸煮にする「ごぼうと人参のエトフェ」です。「ごぼう」といえば、もともと日本やアジア圏でも薬用として用いられることが多かった野菜で、今では世界中で日本だけが食用として楽しんでいる野菜です。基本的に欧米では食べられていない野菜ですが、牛蒡の魅力をフランス料理に活かすレシピの紹介と「ごぼう」の扱い方のコツなどを紹介します。
簡単、美味しいごぼうを使ったフランス料理の紹介
【レシピ】「ごぼうと人参のエトフェ」
ごぼうや人参をにんにくとブイヨンの香りで旨味を含ませて、蒸煮にした料理です。柔らかくホクホクした中にも大地の香りを感じる事ができ、赤ワインをあわせて楽しめるような料理になります。
「ごぼうと人参のエトフェ」(4人前)
材料
・ごぼう | 1本 |
・人参 | 2本 |
・鶏もも肉(骨なし) | 2枚 |
・にんにく | 4片 |
・オリーブオイル | 適量 |
・ブイヨン(市販の顆粒で代用可) | 150cc |
・ローズマリー | 1本 |
・塩 | 適量 |
・胡椒 | 適量 |
作り方
▷① ごぼうは洗って1cm幅の斜め切り、人参は皮を剥いて乱切りにします。
▷② 鶏もも肉は4等分にして軽く塩をします。
▷③ フライパンに皮付きのまま軽く潰したにんにくとオリーブオイルを入れ②の鶏もも肉の皮目から焼いていきます。
▷④ ③の鶏もも肉の皮にきれいに焼き色がついたら①のごぼうと人参を加え鶏もも肉もひっくり返していきます。
▷⑤ フライパンにローズマリーとブイヨンを加えたらひと煮立ちさせてアクを取ります。
▷⑥ フライパンに蓋をして弱火に落として10〜15分煮た後火からおろします。
▷⑦ 熱い状態でそのまま食卓に出してもいいですが、一度ゆっくり冷やして置くと味がより馴染んで美味しくなります。
「ごぼう」の扱い方のコツ
「ごぼう」の食物繊維について
ごぼうの特徴としては、よく知られていることかもしれませんが、特筆すべきは多く含まれている食物繊維です。特に不溶性の食物繊維を多く含んでいるため、ごぼうを食べることで整腸や血糖値の上昇抑制に効果が期待できます。
「ごぼう」を保存するコツは、土が付いた状態
ごぼうを保存する場合は、土がついている状態で新聞紙などで包み、冷暗所で保存してください。冷蔵庫で保存する場合は乾燥しないように、ポリ袋またはラップフィルムでカバーすることも忘れないようにしてください。
「ごぼう」の風味を活かすコツ
ごぼうをアク抜きに酢水にさらす事がありますが、できればアク抜きは行わないほうが風味や旨味、栄養(ポリフェノール)が抜けることなく料理に生かされるのでそのまま調理してください。また皮には風味が多く含まれるので、ごぼうの皮は剥かずに、少量のアルミフォイルをまるめた物や、たわしなどでこすり、流水で土を落として下さい。流水に当てながら包丁のみねでこすってもキレイになります。
「ごぼう」目利きのコツ、ひげ根を確認
ごぼうを選ぶときは、できるだけ土の付いた状態のもので、あまり太すぎないものを選ぶようにしてください。ごぼうから生えているひげ根に関して、太いひげ根があるものよりも細いひげ根のごぼうの方が風味が良い様です。
「ごぼう」の薀蓄
主な「ごぼう」の生産地の話
国内での主なごぼうの産地は、茨城県、千葉県、群馬県、青森県などです。ごぼうの栽培には専用の耕作地が必要なので、すぐにどこでも栽培できる野菜ではなく、生産地はある程度限定される傾向にあります。流通量の70%が国産ですが、残りの30%は中国からの輸入品となっています。
「ごぼう」の旬と新ごぼうについて
ごぼうは10月〜翌1月に収穫し流通しているものが通常の旬となりますが、出荷時に収穫することで通年流通しています。通常のごぼうとは別に6月7月に流通する新ごぼうもあります。新ごぼうは「夏ごぼう」とも呼ばれ、いわば若採りで実も柔らかく、風味も柔らかいのが特徴です。
日本だけで野菜として扱われていた「ごぼう」
ごぼうはもともと大陸から伝わりました。ごぼうの歴史は古く、縄文時代には日本に存在していたと考えられます。基本的に野菜としての認識を持って食用にしているのは日本だけです。中国などでは薬用として扱われており、西洋にも西洋牛蒡は存在するものの、日本のものとは違います。日本の牛蒡は欧米では食されてません。時には西洋人は「日本人は木の根っこを食べている」と思うことも有るとかないとか。