【レシピ】仔羊と野菜の「ナバラン」簡単で美味しいフランス料理の作り方

【レシピ】仔羊と野菜の「ナバラン」簡単で美味しい作り方
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この料理の定義には諸説ありますが、仔羊肉の煮込み料理です。料理名の由来が付け合せの蕪(フランス語でnavet:ナヴェ)からとられているというのが定説です。ヨーロッパなどではイースターの食事に仔羊を使う国も多く、春の味覚にもなっていて、この春に作られるものに関しては付け合せに春野菜を使い、ナバランプランタニエ(春)の名前が用いられます。今回は、家庭で作れるナバランのレシピや名前の由来、歴史的なエピソードや作り方のコツ、こだわるべきポイントを解説しています。イースターの食事にも使われる仔羊のフランス料理をひとつレパートリーに加えてください。


簡単、美味しいフランス料理「ナバラン」のレシピ

【レシピ】「ナバラン(仔羊と野菜の煮込み)」

このレシピは野菜の水分とその蒸気で仔羊肉を煮込むため、しっかり野菜のうまみを引き出していかなければならず、ここがポイントになります。付け合せに蕪も使いますが、ヨーロッパのものに比べて日本の蕪は柔らかく、煮込むと形が崩れやすいため別で調理して盛り付け段階で合わせます。

「ナバラン(仔羊と野菜の煮込み)」  (4人前)  
材料

仔羊肩肉800g
にんにく3片
玉ねぎ1個
人参1本
トマト5個
【付け合せ用】メークイン(小)4個
オリーブオイル適量
トマトペースト70g
辛口白ワイン100ml
【蕪火入れ用】レモン果汁5ml
【蕪火入れ用】バター5g
【蕪火入れ用】水150ml
【付け合せ用】蕪2個
適量
胡椒適量

作り方

▷① 仔羊肩肉は50g程度に切り分け塩と胡椒で下味を付ける、にんにくは皮を剥き、玉ねぎ、人参、トマトは5cmくらいにカットします。

▷② 蓋付きの鍋(24cmのココット鍋などが望ましい)を火にかけたら、オリーブオイルを熱して仔羊肩肉をソテーして焼き色をつけていきます。

▷③ 仔羊肩肉に焼き色がついたら、一旦鍋から取り出し、余分な油を捨てておきます。

▷④ 鍋は洗わずにもう一度火にかけ、にんにく、玉ねぎ、人参を鍋のフタをして弱めの火加減でじっくり炒めます。そうすることで甘みと水分を引き出していきます。 

▷⑤ 野菜から水分が出てきたらトマトペーストを加えます。トマトペーストに軽く火を通すことで酸味を飛ばした後、白ワイン、トマトを加えて煮立たせます。 

▷⑥ 鍋に仔羊肩肉を戻しごく弱い火加減で肉が柔らかくなるまで2時間半〜3時間煮込んでください。(途中で水分が無くなりそうなら少量の水を加えてください)

▷⑦ 煮込んでいる間に付け合せのじゃがいもと蕪を用意していきます。じゃがいもは皮を剥き縦1/2にカットして水にさらしておき、煮上がる30分前に鍋に加えてください。

▷⑧付け合せの蕪は縦に4等分して皮を剥き面取りします。手鍋にバターとレモン汁を加えた水を沸かし、塩をひとつまみ加えたところで蕪を煮て柔らかく煮ます。(煮崩れないように注意する) 

▷⑨肉が煮上がったら肉とじゃがいもを皿に盛り付け、煮汁を漉して塩と胡椒で味を整え肉の上からかけます。

▷⑩ 最後に蕪を載せて完成です。


「ナバラン」のコツやアレンジ

「ナバラン」のコツ、ポイント

ナバランを作るときの一番のポイントは、野菜の甘みと水分を十分引き出す工程です。鍋に残った肉の旨味をこそげ取りながらじっくり玉ねぎと人参から甘みと水分を引き出してから白ワインやトマトを加えるようにしてください。ここで焦ると野菜のうまみが十分出なくなります。また煮込むときの火加減は沸騰するギリギリの温度までで止めるのが良いです。また、すぐに食べない場合はソースに仔羊肩肉とじゃがいも入れたまま、ゆっくりと冷ましていくと味が良く染み込みます。

「ナバラン」の応用、アレンジ

ナバランの付け合せに、いんげんやグリンピースなど色合いの良い春野菜、新野菜を添えることで”プランタニエ”と名前をつける場合もあります。これはフランス語の「春=プランタン」という意味です。また付け合せの蕪が日本のものは煮崩れやすいので、大根を使い、肉と一緒に大根を煮込んで付け合せにすることもあります。

「ナバラン」の歴史やエピソード

料理名の由来

フランスでは蕪のことをナヴェ(navet)と呼びます。もともとこの料理は、付け合せに蕪を使うことからナバランの名前が付けられましたが、ルイ16世の頃の「じゃがいも」の普及とともに付け合せにじゃがいもを使うようになったと言われています。ただ、現在でも煮込む素材はアレンジしても「蕪」の付け合わせは変えずに「ナバラン」の名前を料理につける料理人も多くいます。

エスコフィエによる記載

Navarin
羊肉(胸肉、頸部に近い背肉、頸肉、肩肉)2.5kgを平均90gの小片に切り分け、澄ました牛脂を用いて強火で軽く色付けする。
これを、塩12g、挽きこしょう、粉砂糖5gで調味する(この砂糖はカッスロールの底にゆっくり沈んでカラメル化し、注ぎ汁にあって溶け、ソースに良い色をつける)。
肉がほどよく色づいたら、脂気を十分にきり、小麦粉60gを数分間炒って水かフォン1.5dlを注ぎ入れたものを流し込み、さらにトマト中4個をきざんだものか、ピュレ1.5dl、つぶしたにんにく1片、香りの強いブーケ・ガルニ1束を加える。低温のオーヴンで1時間煮込む。
次に、羊肉を別のカッスロールに移し、バターで色付けした小玉ねぎ20個、形、大きさともポム・ド・テール・ア・ラングレーズと同じようにむきそろえたじゃがいも30個を加える。
ソースの浮き脂をすくい取り、全体にこし取る。きっちりふたをして、さらに1時間に続ける。
供する時、もう一度浮き脂をすくい取り、ダンバル型に盛る。


出典:ギ・ド・キュリネール(A.エスコフィエ)

「ナバラン」まとめ

「ナバラン」は定義の軸があるフランス料理のひとつですが、アレンジの自由度は大きい料理です。素材を仔羊から別の肉に変えることもできます。付け合せも自由に変更できます。さらに煮込む液体なども変えられると思います。お好みで美味しい「ナバラン」を作ってみてはどうでしょうか。アレンジした場合もしっかりこの記事の内容や、エスコフィエの記載を知っていればきっと美味しい「ナバラン」になるのでは無いかと思います。

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