クラムチャウダースープは、アメリカのボストン発祥の名物料理です。このクラムチャウダーのレシピを紹介します。今回紹介するレシピは「はまぐり」ではなく「あさり」を使ったレシピなので、記事後半はアサリについての扱い方や産地や名前の由来など、豆知識も紹介しますので、ぜひ最後まで御覧ください。
簡単、美味しいアサリを使ったレシピの紹介
【レシピ】「クラムチャウダースープ」
クラムチャウダーは野菜と貝、ベーコンなどの旨味をクリームで仕上げるスープです。今回は生クリームを使わずに、牛乳とパン粉を使い濃度を付けるレシピを紹介します。野菜やベーコンの香りの引き出し方とアサリの扱い方がポイントです。アサリは加熱しすぎると固く、小さくなるので注意してください。
「アサリで作るクラムチャウダー」 (4人前)
材料
・殻付きアサリ | 500g |
・白ワインまたは水 | 50ml |
・玉ねぎ | 1個 |
・メークイン | 1個 |
・人参 | 1/2本 |
・ベーコン | 30g |
・バター | 10g |
・ブイヨン(水と固形スープのもとで可) | 600ml |
・牛乳 | 300ml |
・パン粉 | 10g |
作り方
▷① アサリは砂抜きなどの処理を行い鍋に入れます。鍋を火にかけ白ワインまたは水を50ml入れて蓋をします。強火で1分~2分でアサリの口が開きます。アサリが開いたら火から下ろしアサリを取り出し、殻から身を外しておきます。鍋に残ったアサリの汁を細かい濾しアミまたはキッチンペーパーで濾してください。
※アサリの下処理は「アサリの砂抜きなど下処理方法」の項目を御覧ください。
▷② 玉ねぎ、メークイン、人参、ベーコンは5mm幅のスライスにしてください。
※断面は2cm×2cm程度です。
▷③ ②の野菜などをバターを溶かした鍋に入れて炒めていきます。
▷④ 鍋の野菜が軽くしんなりしてきたらブイヨンと①でとれたアサリの汁を加え15分煮ます。
▷⑤ ④の鍋に牛乳とパン粉を加えひと煮立ちしたらアサリの身を加え更にひと煮立ちしたら完成です。アサリの塩分で塩は十分足りていると思いますが、味を見て足りなければ適宜足してください。
※アサリの身は火を通しすぎると固くなってしまいますので、最後ひと煮立ちした後は煮込まないように注意してください。
アサリの扱い方
美味しいアサリを選び、適切に下処理、調理することは美味しい料理にとって大切なことです。ここでは基本的なアサリの選び方、保存方法、下処理方法を紹介していきます。
アサリの目利き、正味重量の目安
アサリの大きさ自体は味に大きく影響しないと言われていますので、用途に合わせて使い勝手の良いサイズを選んでください。また、殻が閉じているもので且つからが割れていないかどうかをチェックして、割れていないものを選ぶようにしましょう。正味の重量の目安は、殻付きの重量が1kgに対し、殻を外した身の正味重量は300g程度と考えてください。
殻が不要でむき身のアサリを使うときは、弾力のある物を選ぶ様にしてください。
アサリを保存するには
殻付きのアサリを保存する場合は、きれいな塩水に漬けておく、または湿らせた新聞紙などで包んで冷蔵庫に入れておけば1日は保ちますが、できるだけ早く調理してください。ご自宅などで長期間置いておくのは避けてください。すぐに召し上がらない場合は数日の間、生のままにするのではなく、調理した後に冷蔵庫にて保管するほうが良いかもしれません。
アサリの砂抜きなど下処理方法
今では、流通しているアサリは砂抜きが終わったものが多くなっています。砂抜きのアサリであれば、基本的に水洗い後、そのまま調理に使用できます。ただ、中に死んでいるものや、泥を噛んでいるものが混ざっていることもあります。そのようなアサリを使ってしまい、料理を駄目にしないためにも、チェックしてから調理するようにしてください。チェックの方法はアサリ同士を軽くぶつけ、その音で聞き分けます。
異常のあるアサリの見分け方は、アサリ同士をぶつけたときに、正常なアサリに比べて高い(軽い)音がします。それは使わないようにしてください。このチェックは慣れれば、一度にアサリを5〜6個手にとり両手で持ち、マラカスの様に振る音でわかるようになります。
砂抜きをしていないアサリを使う場合は、必ず砂抜きという工程を行わなければなりません。砂抜きの方法は、きれいな塩水(塩分濃度3%程度)に漬けて冷暗所に一晩置いておきます。特に潮干狩りで取ってきたものの場合などは砂抜きをしてから使ってください。その後、潮抜きと言って塩水から取り出してバットなどに並べた状態で30分程度休ませます。すると、アサリが取り込んでいた塩水を吐き出します。この潮抜きの工程を行うことで塩水とともに雑味も吐き出してくれますので、おすすめです。
アサリの豆知識
アサリは、世界各地の海で見かけることが出来る馴染み深いポピュラーな二枚貝です。日本でも先史時代の遺跡の貝塚から多数のアサリの貝殻が出てきています。アサリの殻の出土が多い点でも、その頃から重要な食料とされていたことが伺えます。ここでは、そんなアサリに関する豆知識をいくつか紹介します。
アサリの旨味成分や栄養について
アサリはタウリンを多く含んでいます。タウリンはアミノ酸の一種で肝機能の正常化にも効果がありますので、二日酔いにはアサリの味噌汁が良いとされるのもこのタウリンの効果からきています。また、旨味の強いアサリですが、この旨味の元になる成分は、カツオ節や昆布のものとは違い、貝類が持つ旨味成分の「コハク酸」と言われる旨味成分です。このコハク酸を上手く活かすことがアサリを上手に調理するするコツとなります。
アサリの流通や美味しい旬について
アサリは世界的にも生息している場所が多く、日本でも九州から北海道の沿岸の潮通しの良い砂泥地で穫れます。これはアサリの水温適応の幅が広いことが関係しています。年間を通して価格に変化が少なく比較的安定している食材でもあります。流通自体は通年ありますが、実がふっくらして美味しいアサリの旬といえば冬から春にかけての時期となります。
「アサリ」のという名前の由来
アサリを漢字で書くと「浅利」となります。このアサリの名前の由来には諸説ありますが、生息域の海底の比較的浅いところを掘れば出てくることから名付けられたとの説があります。また、別の説では「漁る(あさる)」が語源という話もあります。