焼きバナナには、色々なタイプがあります。オーブンでまるごとローストするのも美味しいですが、ここでは、オーブンを使わないで手軽な作り方の絶品レシピを紹介します。ラム酒を使ったカリブの香りを楽しめる焼きバナナです。記事後半にはバナナの扱い方やエピソードなどの情報も紹介していますので、よかったら御覧ください。
絶品!「焼きバナナ」のレシピ紹介
【レシピ】「ラム酒の香りをまとった焼きバナナ」
バナナをオーブンで焼くのではなく、シロップで軽く煮た後にラム酒でフランベして作る焼きバナナです。お好みで違う香りにアレンジして楽しむこともできますよ。
「ラム酒の香りをまとった焼きバナナ」 (4人前)
材料
・バナナ(実のしっかりしている物) | 4本 |
・バニラビーンズ | 1/2本 |
・水 | 600cc |
・三温糖 | 800g |
・レモンスライス | 2枚 |
・ラム酒(マイヤーズ ダークラム) | 30cc |
作り方
- step①バナナをカットする
バナナは皮を剥いて、1/2にカットします。(長さを半分にします)
- step②バニラシロップを作る
水と砂糖、レモンスライスを鍋で火にかけバニラビーンズもさやから種をこそぎ、さやごと鍋に入れバニラシロップを作ります。
- step③シロップでバナナを軽く煮る
熱い状態の②のシロップに①のバナナを入れ、10分間やさしく煮ます。煮終わったら鍋からバナナを取り出すのですが、この時にバナナの実が崩れないように注意して下さい。
- step④バナナをフライパンで焼く
取り出した③のバナナを一旦キッチンペーパーの上に置き、水分をきったら、バナナが冷めないうちにフライパンにのせて加熱します。
- step⑤ラム酒でフランベする
④のフライパンの温度が上がり、バナナの周りからチリチリ音がしてきたらラム酒を加えフランベします。※この時炎が上がりますので安全には注意してください。
- step⑥盛り付け、仕上げ
炎が収まったら皿に盛り付けてください。お好みでアイスクリームなどを添えても美味しいです。
バナナに合わせるラム酒について
バナナをフランベして香りを引き立てることに使っているラム酒について紹介します。ラム酒とはサトウキビを原料とした蒸留酒です。ラム酒は大きく分けるとサトウキビから直接作るものと、サトウキビから砂糖を精製する段階で副産物として作るものに別れ、このどちらにも熟成させるものと、熟成させないものがあり、それぞれ風味や色合いが大きく違ってきます。
今回は、熟成させたダークラムという色のついたものを使用して焼きバナナを紹介しましたが、ご使用の際は好みで選んで使ってください。17世紀後半からカリブ海にあるフランス領の島々で生産が盛んになったラム酒と、同じく温暖な地域の果物であるバナナとの相性を楽しみましょう。様々なカクテルやお菓子や料理に使われるラム酒ですが、今回のレシピではフランベすることで、余分なアルコールは飛ばすことが出来るので、ラム酒の香りをよりバナナとともに楽しむことができます。
バナナの特徴や扱い方
バナナは優れた食品
バナナは消化もよく食べてすぐにエネルギーになります。更にエネルギーが長く持続するので、アスリートたちが競技中に食すほど優れた果物です。バナナに含まれる栄養素は、カリウム、マグネシウム、ビタミンB群、食物繊維が豊富で、バナナは水分が75%程度とフルーツの中でも少ないのも特徴です。野菜果物の中でもトップクラスなのが、ポリフェノールによる抗酸化作用で、とても優秀な果物です。何より美味しいと言うのが素晴らしいですね。
バナナを長持ちさせる保存方法
バナナは13℃以下の場所に保存すると、低温障害により皮が黒く、実が柔らかくなってしまいます。温かい地域で育つ植物のため、低温に弱いです。保存する温度は15℃を目安にして下さい。もちろん、ご家庭の冷蔵庫の庫内温度はおよそ5℃~10℃なので入れないようにして、できれば吊るした状態というのが基本的な保存方法です。ただ、冷蔵庫に入れて10日間〜2週間保存可能な方法を紹介します。保存方法は簡単です、バナナを房から1本づつばらして個別にポリ袋に入れます。その状態で冷蔵庫に入れておくと追熟が遅れるので、最長1週間程度は室温で保存するより長期間保存できるようになります。
冷凍保存する場合は、皮を剥いてから1本づつラップフィルムで包み冷凍してください。スムージーなどに使う場合は手軽に使うことが出来ます。
バナナの食べごろの見分け方
バナナは、用途や使用するタイミング、好みによりますが、生で食べる場合、シュガースポットと呼ばれる茶斑があるものが食べごろです。シュガースポットが甘さや固さの目安になっています。また、すぐに使用しない、もしくは加熱使用するような場合は、しっかり全体が黄色になっているもので、房の付け根がしっかりしているものを選ぶとよいでしょう。
バナナに関する豆知識
アダムとイブの禁断の果実、「バナナ」説!?
世界中で楽しまれているバナナですが、世界では生食用と加熱用の2つに分類することができます。日本ではもちろんフルーツなのですが、国によっては加熱して食べる野菜の扱いのこともあります。また、様々なエピソードもあります。その一つ、ヒンドゥ教の伝説の中によると、旧約聖書に出てくるエデンの禁断の木の実とは「りんご」ではなく「バナナ」で、セイロン島がその地上の楽園であったとされています。その伝説に所以するものでしょうか、インドには「楽園のりんご」という名称のバナナもあるそうです。
バナナは果物の中で○○が日本1位!
バナナは世界でも3位に入る生産高の果物で、品種もたくさんあります。日本の家庭でも、年間の支出額が果物の中で一番多いのはバナナです。近年では、日本国内での栽培も行われていますが、国内の収穫量はまだまだ少なく、国内消費の大半が輸入となっています。
(平成30年の総務省家計調査によると、1年間に1世帯が支出する金額1位がバナナ4,113円です。)
未成熟で輸入されるバナナの流通事情
バナナは南米や南アジアが主な産地です。生産地では熟していない青い状態で収穫され、日本に到着してから室(むろ)の中で温度と湿度を管理、エチレンガスを用いて熟成させてから出荷されます。これは害虫の侵入を防ぐ目的なのですが、完熟してからの収穫より甘みと香りが良くなる効果もあるようです。バナナは、各生産地で大規模な栽培がされており価格、数ともに季節を問わず安定して流通している果物です。
バナナはどうやって世界に広がった?
バナナはマレー半島が原産地です。マレー半島にはアクミナータという野生品種のバナナが有ります。このアクミナータは果肉が少なく硬い種子が詰まっているため食用には適さないのですが、突然変異によって種子のない果実が出来るものが発見されました。この突然変異の苗を育て、食用に品種改良されたのが現在のバナナ栽培の始まりです。バナナは、紀元前にはインド経由でヨーロッパへ伝わり、5世紀ころにはマダガスカル、西アフリカへと伝わっていきました。その後16世紀になってからアメリカ大陸が発見され、バナナも南米へ伝わりアメリカ大陸でも栽培が始まりました。
日本へ伝わったのは遅く、台湾が日本の領有地になった後の明治28年に初めて、バナナが輸入されています。
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